上巻・目次

ゼンマイ仕掛けのまくわうり  9
怪談ボタン灯籠  37
性服は道なり  65
病の館 93
日本春歌考  121
蒟蒻の花 145
酒は涙かタメ息か  173
湯の町エレジー その壱  197
湯の町エレジー その弐  219
皮をたずねて三千里  241
町内素人名人会 その壱 263
町内素人名人会 その弐  291
銀座の変の物語  313
タイコ持学入門  333
再会  355
分解された男たちのブルース  377
桜恋歌 401
中年の光と影  423
春の猫  445
至上の愛 467
猟奇天国  489
お見合い大百科 539
悪夢のようなあなた 前編 561
悪夢のようなあなた 後編 584
××××… 605
山峡の章  631
信濃では鬼女とじじいと竹細工  653
飢餓怪狂 675

(注・「性服は道なり」 は、長く「制服は道なり」として誤用されていたものを正しました)

 下巻・目次

やさしき怨霊たち 幽霊情話 その一 7
軍旗はためく柳の下に 幽霊情話 その二 35
玉取り物語 幽霊情話 その三 59
夏の華 前編 85
夏の華 後編 111
忘れちゃいやよ 129
山騙狂騒曲 159
聖女懐妊 前編 185
聖女懐妊 後編 209
時間をおれの手のひらに 前編 233
時間をおれの手のひらに 後編 259
〆切りだからミステリーでも勉強しよう 283
夜歩く 307
神々の深き欲望 329
兇変松の廊下 355
明治を走る 383
秋深し男心はなお深し 413
犯す 439
歯騒脳漏 465
与一の頭に穴四つ 489
創造的ダブル癲癇気質性攻撃型症候群 前編 513
創造的ダブル癲癇気質性攻撃型症候群 後編 535
逆向春世のしょうがい ぜんぺん 557
逆向春世のしょうがい こうへん 579
残り鏡に福がある 601
74年男の彷徨 623
さらば逆向春助! 645

あとがき 喜劇新思想大系のころ

(注・「逆向春世のしょうがい」 は「の口英世のしょうがい」の改題です)



※『喜劇新思想大系 完全版』についての細かな説明


──『喜劇新思想大系 完全版』の収録作品について

ご存じのように、『喜劇新思想大系』が本になるのはこれで6回目なのですが(厳密に言うと他に1冊だけ芸文社で傑作選がありますが)、 まず収録作品について説明すると、

・最初の青林堂版(73〜75年)では「日本春歌考」がなく、

・次の秋田文庫(76年)では、「日本春歌考」「タイコ持学入門」「分解された男たちのブルース」「の口英世のしょうがい」(下巻では「逆向春世のしょうがい」と改題されました)がなく、

・双葉社のコミックス版(84〜85年)では「与一の頭に穴四つ」「の口英世のしょうがい」がなく、

・双葉社の選集(92年)では「日本春歌考」「タイコ持学入門」「分解された男たちのブルース」「与一の頭に穴四つ」「の口英世のしょうがい」がなく、

・97年の講談社文庫版は、「日本春歌考」「タイコ持学入門」「分解された男たちのブルース」「猟奇天国」「与一の頭に穴四つ」「の口英世のしょうがい」がないという状況でした。

──『喜劇新思想大系 完全版』の編集方針

「雑誌掲載順に、時系列に全ての作品を収録する」
「ネームを当初の状態に戻す」

ということだったのですが、
ネームについては、 送りかな(「気持→気持ち」に後に変更された、など)、 ひらがなが漢字に変えられたもの(「わたし→私」など)は、全体の統一のため、そのままとし、 カタカナがひらがなに直されたものは元通りにカタカナに、 放送禁止用語と言われるものについては完全に元通 りにするということで進められました。 なお、ネームは、一部を除いて青林堂版(ネームは雑誌と同じ)を参照しております。

この時点で山上氏に著者校をしていただき、山上氏がネームや絵に手を入れられています。 ただし、こちらからこの言葉を変えてくださいというような規制は一切しておりません。また、山上氏自身が著者校をされたのもじつは今回が初めてだそうで(統一のため、送りかな、ひらがなを漢字に、ということに関しては、山上氏の了解を得ています)、より面 白くするための変更がされています。 ネームについては以上です。

収録作品としては、単行本で前後編が一編となされているものを雑誌掲載の状態に戻しています。またこれまで「信濃では若いつばめと竹細工」とされてきたものは、雑誌掲載時の「山峡の章」と「信濃では鬼女とじじいと竹細工」に分けています。
(例外は「猟奇天国」ですが、これは、後編の扉が存在しない、つまり「手術台」の上にタイトルが「乗っている」形だったので、前後編に分けていません)

なお「山峡の章」は、雑誌掲載時には彩色されていないものでしたが、後に原稿に彩 色されていたため、これは彩色された原稿を優先しました。
「信濃では鬼女とじじいと竹細工」の扉も同様です。(「信濃では若いつばめと竹細工」と、絵柄が若干違うのは、タイトルがベッタリ貼ってあって、修正が不可能だったためです)

上巻において、これまで完全に未収録だったページはp536〜538の3ページ(「お見合い大百科」の本編が始まる扉の前にあるものです)、下巻についてはp86,87(「夏の華 前編」)になります。

いろいろ細かく書きましたが、今回の『喜劇新思想大系 完全版』は、これまで30年間「書肆的」に作られていなかったものを、初めてきちんとした形で出版することが出来たと思っております。ゆえに「完全版」を自認しております。

          フリースタイル 吉田保 筆